はじめに
彼は、小児病棟に入院した。
小児といっても、彼はもう小学校4年生だった。
それに加えて、ことさら大人ぶってたため、病棟の子達を「こどもすぎるな」とバカにしていた。
そんな彼でも夢想をすることが楽しみであった。
ぼくはぼくだけのインディアン村をつくった
ぼくは、病棟のこどもとは違う。
病室では、こどもたちとこうりゅうするのも面倒くさいよ。
そのため、ぼくはぼくだけのインディアン村をつくり、酋長になった。
ベッドを取り囲むように掛かったカーテンがぼくのインディアンテント。
酋長はえらいから、テントのなかにはテレビ、冷蔵庫、金庫がある。
彼はインディアン村を夢想した
彼は、病棟の子どもとは交流できずに、インディアンになってインディアン村を作ったことを夢想した。
彼は「面白いぞ」と思い始めた。
病室では個々のベッドを仕切るカーテンをテントだと思った。
「あわわわわ」彼は室内に響く位にインディアンの雄叫びをした。
~2話につづく~乞うご期待