内閣官房では「人々のつながりに関する基礎調査(令和3年)」として、コミュニケーションや外出の頻度などについての全国アンケートを実施しました。
未だ終わらぬ新型コロナウイルス拡大による影響は、私たちの生活を変え、孤独を感じて苦しむ人を増やしています。
もくじ
20代・30代の孤独感が深刻
内閣官房で行った「人々のつながりに関する基礎調査(令和3年)」によって、20代~30代の孤独を感じる若者の姿が見えてきました。
調査は全国16歳以上の2万人を対象にしたもので、「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」として行われました。
一人ひとりの生活環境ごとに孤独を感じることがあるか、集計されています。
以下のように年齢層別の調査では、20代、30代で孤独感を覚える人が最も多くみられました。
調査結果の概要より
30代では「しばしば(孤独感が)ある」が7.9%と最も高く、20代はそれに次ぐ7.7%。
「時々ある」「たまにある」を加えると20代は孤独感を抱える人の割合が最も高くなっています。
同居人が孤独を和らげる
別の質問では、同居人のいる人、同居人のいない人別に、孤独感を抱く頻度を比較しています。
同居人がいない人に対して、同居人がいる人ではおよそ倍近くが(孤独を感じることは)「決してない」と回答しました。
若い人ほど同居の有無は孤独感に影響がない?
年齢別の同居人の有無による孤独感の度合の調査も行われています。
その質問でも総合的には、同居人のいる人の方が孤独は少ない傾向でした。
しかし、決して(孤独感が)ないと答えた割合は、若い世代ほど同居人がいる人・いない人の差が小さく、
年齢が高くなるにつれ、差が大きくなっていたのは印象的です。
20代の孤独感が決してないと答えた割合は、同居人のいる人で28.6%、いない人で20.9%、30代では前者が24.3%、後者が15.7%です。
それに対し、40代、50代では同居人のいる人といない人では、倍以上の差が開いています。
年齢が上がるにつれ、家で一緒に暮らす人の存在は大きくなるようです。
反対に、若い世代は家だけに留まらないコミュニケーションをはじめとする活動を求めており、
それが叶わない辛さの方が大きいのかもしれません。
国の孤独・孤立対策
内閣官房では、孤独・孤立対策として「孤独・孤立対策担当室」や「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」などを作っています。
今回の調査も、その一環として行われたものでした。
「孤独・孤立対策担当室」ではチャットボットを使って心配事の相談窓口の紹介を受けられます。
また、官民連携プラットフォームではNPO法人などの協力を得て、さまざまな取り組みを行っています。
これからの国の対策に期待するとともに、我々一人ひとりも周囲の孤立した人々に対し、アプローチしていくことが必要です。
出会いを求める男女も増えています
新型コロナウイルスの感染拡大によって、一時的に婚活を控える人々が増えましたが、
近年では再び出会いを求める動きが活発になってきたと言われています。
孤独や孤立がクローズアップされる中、それぞれの意思でパートナーを見つけようという前向きな行動です。
マッチングアプリやオンライン婚活など、特にコロナ禍でも気軽に出会えて、安全に仲を深められるツールやサービスの利用が増えているようです。
ただし、こうしたネットでの出会いにはリスクもあります。
運営会社も対策はしていますが、抜け道もあるため、ある程度は自己責任でリスクを予防する対応が求められます。