女性が起業することも珍しくなくなってきたとはいえ、まだまだ男性に比べたら特別視されやすいものです。
しかし、そんな今こそ、女性の起業はやりやすいともいえます。
女性が起業するにあたり、有利な点は何か、注意したい点は何か、しっかり把握することで起業を成功させましょう。
もくじ
女性起業の実態とは?
女性起業家として実際にどれくらいの人が活躍しているのか、実態を知っておきましょう。
これを知ることで、これから先、自分が起業家としてどんな風に見られるか分かります。
男性と女性の起業家比率
以下は、内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和元年版」の起業家に占める女性の割合の推移のグラフです。
昭和の時代から近年まで大体3割~4割程度で推移しています。
次は日本政策金融公庫総合研究所の「2020年度新規開業実態調査」から男女の割合のデータです。
二つの表には多少の誤差はありますが、
基本的に女性よりも男性の方が多いこと、女性の起業家は全体の半数には満たないことがわかります。
多く見積もっても、女性起業家は起業家の約3割と少数派です。
パートタイム起業家に女性が多い
前述の日本政策金融公庫総合研究所の「2020年度新規開業実態調査」では、起業にかける時間の割合から起業家、パートタイム起業家に分類して調査をしています。
以下のグラフから分かるように、パートタイム起業家に女性が多く、本格的な起業をしている人に女性の割合は低くなっています。
※パートタイム起業家とは事業にかける時間が35時間未満/週と少なめの起業家のこと。
プチ起業、週末起業と少し似ているかも。
女性におすすめなプチ起業はどんな職種か、知りたい方はこちら。
女性におすすめのプチ起業!職種を選ぶ時のポイントとおすすめの職種
女性起業のメリット
女性起業家は、全体の割合としてはまだまだ少なめですが、男性起業家よりも優れた点や強みもあります。
メリットを活かして活躍することで、成功を引き寄せましょう。
女性ならではの視点を持っている
女性起業家のメリットは、女性ならではの視点で事業を展開していける点です。
女性だからこそ発見できること、気付けることは多く、男性に対して優位性を築ける可能性があります。
細やかな気遣いやデリケートな観点、はたまたお母さん目線でのビジネスアイデアを生かしましょう。
女性起業家のネットワークを活用できる
女性起業家は、まだまだ少数派で弱者でもあります。
そのため、女性起業家同士が集まって、ネットワークを形成し、互いに協力する体制ができています。
女性起業家として不足や不安を感じることがあった場合も、ネットワークを通じてサポートを得られるかもしれません。
女性の課題に寄り添える
社会や家庭での不満や不安、解決すべき課題は、ビジネスアイデアのヒントです。
女性起業家の場合には、女性の感じる課題に共感でき、寄り添うことができるため、アイデアのヒントも得やすくなります。
女性をターゲットとした事業を興す際にピッタリです。
希少性で目立てる
女性起業家はまだ希少な存在です。
そのため、よくも悪くも目立ちます。
目立つことで叩かれたり、揶揄されたりすることもありますが、反対に珍しがって重宝してもらえることもあります。
事業の成功のためには、(少なくともきっかけは)どんな手を使っても良いのです。
女性であることも全面に押し出して、周りと差をつけましょう。
女性起業のデメリット
女性起業家は、メリットも多い反面デメリットが気になる人もたくさんいます。
女性だから大変なこと、困ることなどをチェックして、どうやって解消していけばいいか考えてみましょう。
プライベートと仕事のバランスが難しい
プライベート時間を削って起業する女性起業家は多いものです。
どうしても、男性と比べると家事や子育ての傍らで起業することが多く、プライベートと仕事の両立が難しくなります。
起業を始める年代も40代がメインであるため、ちょうど家庭生活が慌ただしい時期と重なりがちです。
両立の公的なサポートがない
女性が起業をする際には、家庭と仕事の両立をサポートするサービスがあると安心できます。
しかし、今の日本では個人で活動する起業家への育児などの公的な支援が少なく、
両立に必要な時間や心のゆとりを保てないことが多いものです。
企業に勤務していれば得られる産休や育休なども起業家にはないため、起業後のライフイベントにも不安が付きまといます。
就業経験の短さや浅さから経営や財務にうとい
女性起業家が男性に比べて不安が大きいのは、経営や財務の知識や経験です。
男性に比べて女性は就業経験が短く、業務内容も補佐的なことが多くなります。
そのため、経験を積めば経営にも参画する機会を得られる男性に比べて、
女性起業家は経営や財務の面で知らないことが多く、経験不足から失敗しがちです。
日本企業の根本が変わらないと今後も続きそう・・・
女性起業家が陥りやすい失敗
女性が起業するにあたって、気を付けておきたい失敗リスクを見ておきましょう。
女性が陥りがちな傾向なので、特に注意が必要です。
サロンやセミナーに頼ってしまう
起業を目指す人のためのサロンやセミナーなどがたくさん開催されています。
こうしたサロンやセミナーを参考にするのは良いことですが、頼り過ぎてしまうと失敗します。
サロンやセミナーは自分が動く時のヒントに過ぎません。
講師の言うことは頭の片隅に置いて、自主性やオリジナリティを持った事業展開を目指しましょう。
起業を軽く捉えてしまう
プチ起業や週末起業など、起業へのハードルが低くなることで、起業する人が増えてきました。
しかし、起業は資金もかかりますし、失敗したら痛い目に遭います。
それなのに、ついキラキラと輝かしい一面だけに憧れて、軽い気持ちで起業する女性が後を絶ちません。
平成14年の総務省統計局のデータでは、男性の廃業率11.8%に対して女性の廃業率は22.9%となっています。
最近のデータはありませんが、女性の廃業は男性の2倍とかなり高い数値。
この中には起業をナメてかかって失敗した人も多いことでしょう。
顧客のニーズを考えていない
事業は客観的なデータに基づいて進めることが重要ですが、女性の中には自分の理想や希望、信念を優先してしまう人もいます。
そうなると顧客の実際のニーズからかけ離れてしまい、集客や販売がうまくいかなくなります。
「自分が女性だから女性のニーズはわかる!」と妄信しないように注意しましょう。
ニーズを絞るときは、自分の感覚だけでなく「本当に多くの女性はチョコが好きである」という客観的データが必要よ
女性におすすめの起業方法
女性におすすめの起業の仕方を紹介します。
現実的に可能で負担が少ない方法で始めた方が、女性の起業は上手くいくものです。
プチ起業
プチ起業は、スキマ時間や週末などに時間を作って事業を営む方法です。
資金も規模も小さく、日常生活や本業にも影響を与えず起業できます。
個人事業主・フリーランス
個人事業主(フリーランス)は、開業届を出して、1人で事業を営む方法です。
本業として事業を興しますが、法人ではなく個人のため会社を設立するより開業コストがかかりません。
代理店業務
代理店業務とは、親企業のために営業や販促活動を行い、代理で契約を取り付けることで利益を得る事業形態です。
商品を仕入れる必要がないため、在庫を抱えるリスクがありません。
損害保険の代理店などが有名です。
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女性の起業に向いている職種はこちら。
女性が起業で成功するためのポイント
女性が起業で成功するためには、活動の基盤をしっかりと作ることが大切です。
勢いなどで起業することは避け、着実な道を選んで歩みましょう。
家族など本当の味方を見つけて協力してもらう
女性が起業で成功するためには、心から信頼できる味方を見つけることが大切です。
親や兄弟、配偶者など、絶対的に裏切らない、
なんなら「自分がコケたら相手もコケる」くらい一蓮托生の相手を選びましょう。
こうした味方は事業を進める時に影日向でサポートしてくれて、大変な時にも見限らずにいてくれます。
セミナーでの出会いやSNSでの出会いなども悪くはありませんが、
新しい出会いの場では下心を持って近づいてくる人も少なくありません。 コンサル料として大金を出させる、サークルやサロンと称して代表者自身の事業を手伝わせるなど、とんでもない人たちもいます。 特に社会人経験の少ない女性は、詐欺にも免疫がないため要注意です。 |
女性起業家向けの補助金制度を活用する
事業資金が必要な場合には、女性起業家のための補助金制度を活用しましょう。
補助金制度は公的な支援制度の一つであり、担保なし、返済なしの資金を手に入れられます。
ただし、利用にあたっては煩雑な書類作成や担当者との面談などが必要です。
最初から法人化しない
女性が起業する際には、まずはスモールビジネスから始めて、経験と実績を積みながら規模を広げていくことをおすすめします。
そうすれば、家庭や本業との両立もしやすく、さらに女性のライフイベントの際も業務量を調整しながらこなしていけるでしょう。
また、個人での起業なら、面倒な手続きや膨大な資金も必要なく、最初から事業に専念できます。
女性の起業は自分らしさを生かしつつ客観的な判断を
女性が起業する際には、自分らしさや女性であることの利点を生かして事業を進めましょう。
ただし、女性だからこそ気を付けないといけない点もあります。
小さなビジネスから始める場合も、事業としての認識を持ち、客観的な判断をする必要があります。
独りよがりになったり、怪しい団体にだまされたりしないように、信頼できる人をそばに置くことも大切です。